物質と宇宙の根源は何だろう。それはどういう性質を持ち、どのように時間発展していくのだろう。そういった疑問に挑むために素粒子の研究をしている。
素粒子は、物質を構成する最も基本的な粒子である。アップクォーク、ダウンクォークとよばれる素粒子が強い相互作用とよばれる相互作用で結びつけられて、陽子や中性子を形成する。それらが、電磁相互作用で電子と結びつけられて原子を形成し、さらに原子が集まって物質を形成する。
宇宙は、誕生直後、高温で小さかったと考えられている。膨張とともに温度が下がる過程で、元素が合成され物質が形成される。その過程を支配するのは、素粒子とその性質である。
素粒子の相互作用として、電磁相互作用、弱い相互作用、強い相互作用、重力相互作用が知られている。電磁相互作用は光子、弱い相互作用はW粒子とZ粒子、強い相互作用はグルーオンの交換によって説明できる。この描像は、ゲージ対称性に基づく非常に美しいものであり、数々の実験によって実証されてきた。